Restaurant TOYO https://toyojapan.jp OFFICIAL WEB SITE Fri, 29 Aug 2025 02:51:28 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.9.12 https://toyojapan.jp/wp-content/uploads/2022/06/cropped-toyo_fabicon_1-32x32.png Restaurant TOYO https://toyojapan.jp 32 32 【日本酒の会】大納川酒造×フレンチのイベントを開催。「芸事と産業」について考える。 https://toyojapan.jp/2025/08/29/sake-event/ Fri, 29 Aug 2025 02:43:54 +0000 https://toyojapan.jp/?p=3726 日本酒の会 秋田の酒とフレンチを楽しむ夜 – 大納川 × Restaurant TOYO Tokyo 2025年8月8日(金)、東京・Restaura...

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日本酒の会

秋田の酒とフレンチを楽しむ夜 – 大納川 × Restaurant TOYO Tokyo

2025年8月8日(金)、東京・Restaurant TOYO Tokyoにて、秋田の酒蔵「大納川」との特別イベント「日本酒の会」が開催されました。テーマは「秋田の酒とフレンチを楽しむ夜」。限定20名、完全予約制という贅沢な空間で、6種の日本酒とフレンチフルコースのペアリングが織り成す一夜となりました。

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フランス料理とペアリング

日本の懐石料理の美意識が存在し、和食の要素を取り入れたフランス料理を提供する「Restaurant TOYO Tokyo」。
フレンチの枠を超えて西洋と東洋の融合と調和を感じさせ、日本酒の個性を引き立てるメニューが並びました。

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  • 若もろこしのアミューズ 
  • 岩牡蠣 エスカルゴバターソース
  • 魚介の塩釜焼き
  • 牛カツ
  • 金目鯛の土鍋ご飯
  • 南国フルーツとゴーヤのデザート
  • お茶菓子
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若もろこしのアミューズ、岩牡蠣 エスカルゴバターソース、 魚介の塩釜焼き、牛カツ
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金目鯛の土鍋ご飯、南国フルーツとゴーヤのデザート、お茶菓子

提供された日本酒

今回登場したのは、大納川の5銘柄。大納川の定番から遊び心あるラベルまで、酒質も表情も多彩でした。

  1. 大納川天花・純米大吟醸・無濾過生原酒・月ラベル
  2. 大納川天花・純米大吟醸・無濾過生原酒・鮨ラベル
  3. 大納川天花・純米吟醸・無濾過生原酒・エンジェルラベル
  4. 秘蔵酒・全国新酒鑑評会にて金賞を受賞した出品酒。2度目の金賞を受賞した10本しか無いうちの1本。純米大吟醸生原酒です。
  5. 大納川天花・純米吟醸・無濾過原酒・ハートラベル
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主催者コメント

今回のイベントに寄せて、TOYO JAPAN株式会社 代表取締役 阿部洋介からのコメントを掲載します。


酒の会を通じてどんな事を考えるか

TOYO JAPAN株式会社 代表取締役 阿部洋介

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大納川の代表の田中文悟さんとは、学生時代から体育会アメリカンフットボールを通じた仲で、そのまま新卒で入社したアサヒビール株式会社で同期となり、その後社会人アメリカンフットボールのシルバースターで共にプレーをしました。

また同時期にアサヒビールを退職して、同期のアメリカンフットボールの仲間が立ち上げたベンチャー企業にともに参画しました。東京への進出時ということで、当時事務所には3人しかいませんでした。

その後、右往左往しながら共に必死になって事業をすすめ、私は主に外食企業のM&Aに、田中社長は日本酒の酒蔵のM&Aを進めていきました。

そして、それぞれその会社を退職し、私はレストランビジネスでの創業と、田中社長は酒蔵再生で新たに起業をしました。

そして、現在酒蔵再生で大躍進をすすめる田中社長は、今や6蔵の酒蔵を経営しています。
株式会社日本酒キャピタル https://nihonshucapital.co.jp/

彼が手掛ける酒蔵再生は、その地域に根付いた小さな蔵を譲り受け、その商品を徹底的に磨き、そして蔵人達を率いて、持ち前のスーパー営業力で売上をあげていくといった道を究めつつあります。その前からも含めると彼が関わった酒蔵再生は何十蔵、足掛け15年以上、世代のおける第一人者になっています。あと10年、彼がこの道を切り拓けば、日本酒業界のイノベーターになると思います。田中社長を傍ら見てきたので、良いところも悪いところも理解した上で、私が感じております。

さて、今回酒の会をご一緒させてもらったのは、当店ソムリエの佐藤の出身地が秋田という事で、里帰りの際に大納川酒造にお伺いさせてもらったのがきっかけのひとつでした。

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ほかにも、私と田中社長のご縁で、酒粕を使ったスイーツなども過去に開発をしてきました。

酒蔵「大納川」の酒粕を使用した濃厚なチョコレートバスクチーズケーキ – TOYO online
https://restaurant-toyo.online/products/sakekasu-chocolat-basque

酒蔵「大納川」の酒粕入りチョコレートチーズケーキ – mitaseru
https://www.mitaseru.com/products/restauranttoyotokyo_chocolate-cheesecake

当店も開業して7年、そして田中社長も矢継ぎ早に酒蔵再生をしていく中で、今後なかなか時間をとっていくのが難しくなっていくだろうと、ある意味最初で最後のつもりで田中社長と何らかの形になるイベントをといった想いで開催をお願いしました。ご無理を聞いていただいてありがとうございます。

我々が一緒にジョインした会社を去った後、久しぶりに再会したのも当店でした。

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今回は、食の編集者、Food HEROes の代表をつとめる江六前一郎さんにも参加してもらいました。https://note.com/erokumae

Food HEROes は、30歳以下の料理人にスポットを当て飲食業界の人材難解決を目指す、コミュニティです。
https://community.foodheroes.jp/about

江六前一郎さんに田中社長も紹介し交えつつ、酒蔵再生、レストランに関してのお話をさせてもらいながら、気づいた点を書き留めてみます。

江六前さんとの話の中で、「芸事と産業」という表現を教えてもらいました。

以下は、江六前さんに紹介してもらったイタリアンレストラン「ブリアンツァ」のオーナーシェフ、奥野義幸さんのnoteからの抜粋です。


「芸事」とは、たとえば歌舞伎や宝塚歌劇団のような芸能活動のことです。
芸事では、個人が積み上げてきた芸をお客様に見てもらうことで対価を得ています。

そのために細かい動きから、歴史、道具の扱い方など、たくさんのことを勉強する必要があって、芸事に勤しむ方は、日々時間を惜しむことなく己の芸を磨いていらっしゃいます。

そんな芸事をしている人に対して、「労働基準法違反になるので、時間を守って芸を磨いてくださいね」とはいわないですよね。
「芸事」は、個人の判断で時間を使っていると思います。
では、「産業」とはどんなものでしょうか。
これは僕の考え方で違った意見があると思うのですが、「産業」とは国が税収を見込めると奨励するものだと考えています。
そして、その産業を支える「会社」は、人を雇用をして利益を出して、税金を払うことで国や社会に貢献する。
僕たちが修業を始めたころの憧れの料理人といえば、料理を極める「芸事」をしている方々でした。

異国のまだ食べたことがないような料理や、手の込んだ美しい料理をつくって、誰も真似できない芸をもっていらっしゃいました。
時間を惜しんで料理をし、営業時間外でも料理の腕を磨いて、すべての時間を費やす。
そうして得た料理をもってお客様から対価をいただく。
安くておいしい料理を提供するために、家族経営で朝から晩まで働いて高度成長期の日本を支えてくださった飲食店も、そういった「芸事」の方々だったと思います。

以前であれば、そういった芸事をしている料理人が営む店と、企業が展開する店は、分けて考えられていました。
しかし今は、国や社会が飲食業全体を1つの産業として見るようになったことで、芸事が産業に吸収され始めている。
僕たちのような料理人を「芸事をしている」と見てくれなくなってしまったんです。

現代の飲食業では、「芸事」が認められなくなってきた|奥野義幸|ブリアンツァグループ オーナーシェフ

https://note.com/okunobrianza/n/n3c2184ab5fa1


そんな中、昨今はホテルから3つ星店が出ているのは、正に「芸事と産業」を両立したモデルだと思われます。

ホテルは正に産業です。しっかりと作業工程がわかれ、その生産性などを高めてきました。

ホテルに宿泊しているお客様を対象として、そのラグジュアリーな内装を含めた集客といったのが象徴だったと思います。

その昔のホテルのレストランといえば、「ホテルのレストランだからね。」といったレストランとしての制約があった心象はあったのですが、ミシュランの三ツ星とは対峙した要素もあったかも知れません。

かつて、私も田中社長と同じ職場にいたときに、少しだけ一緒に酒蔵再生に関わらさせてもらいました。昔ながらの製造方法、流通方法、マーケティングだけは、50年前に出荷のピークだった日本酒市場は大変です。マーケットも1/5に縮小です。人手不足や少子化に関しては地方が主戦場なので、半端ないです。そういった経緯の中でも海外に販路を拡げる、手法などをドラスティックに改革したり、また徐々にトランスフォーミングをしたり様々な事情はありますが、日本酒業界からレストランも学べる事があると、イベントを通じて改めて感じました。正に「芸事」、「産業」の渦中だと思われます。日本における日本酒は国の歴史になります。私が再生に関わった酒蔵も350年以上の歴史がありました。

レストランもここ数年コロナでそういった動きが加速しました。大きな理由は少子化ですが、それだけではない社会の変化が起きています。そういった中、私達レストランも「芸事」でいくのか、「産業」でいくのかが問われています。

もしくは両軸で追いかけるのか。

当店の丸山和孝シェフは現在32歳。彼がシェフに就任したあとに寄稿した記事がこちらになります。少し前になります。
https://note.com/toyo_online/n/n45aa9d90d1d5

若いシェフは、新しいシェフ像を模索しております。

未来のレストランはどういった姿になっているのか。

そんな事を考える機会を日本酒の会でいただきました。

文悟さん ありがとうございました!

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蔵元紹介:大納川(だいながわ)

秋田県横手市大森町にある小さな酒蔵。
「心を酔わす酒造り」を掲げ、蔵人が日々真摯に酒と向き合っています。
酒造好適米「あきたこまち」や「亀の尾」を用い、無濾過生原酒をはじめとする個性豊かな酒を醸造。

大納川 – だいながわ 秋田県横手市の酒蔵
https://dainagawa.co.jp/

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Restaurant TOYO Tokyo 7周年のご挨拶 https://toyojapan.jp/2025/03/27/7th-anniv/ Wed, 26 Mar 2025 15:00:00 +0000 https://toyojapan.jp/?p=3601 いつもRestaurant TOYO Tokyoをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。おかげさまで、当店は3月29日で開業7周年を迎えることにな...

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いつもRestaurant TOYO Tokyoをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
おかげさまで、当店は3月29日で開業7周年を迎えることになります。

この7年間で、私たちのチームは新しい仲間を迎え入れながら、よりフレッシュで活気あるものへと進化してきました。
経験豊かなスタッフと若い力が融合し、お客様に寄り添う料理とサービスを追求し続けています。  

これまで支えてくださった常連の皆さま、そして新たにご来店くださるお客様ひとりひとりの大切なひと時に寄り添えることが、私たちにとっての喜びです。
最近ではプロポーズなど、特別な日の舞台としてお選びいただく機会も増え、大変光栄に思います。  

これからも、心に残るひと皿、ひとときをお届けできるよう精進してまいります。  
8年目のRestaurant TOYO Tokyoも、どうぞよろしくお願いいたします。

シェフ 丸山和孝

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「女性首長によるびじょんネットワーク」のポップアップショップに出店いたしました。 https://toyojapan.jp/2024/10/16/vision-network2024/ Wed, 16 Oct 2024 04:12:46 +0000 https://toyojapan.jp/?p=3504 日本全体で女性の活躍を推進する会議「女性首長によるびじょんネットワーク」から弊社の女性パティシエール塩崎に参加の依頼があり、今回2024年10月11日...

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日本全体で女性の活躍を推進する会議「女性首長によるびじょんネットワーク」から弊社の女性パティシエール塩崎に参加の依頼があり、今回2024年10月11日(金)〜15日(火)の間にKITTE丸の内1階アトリウムで行われたポップアップショップに出店させていただきました。
https://vision-network.tokyo/marche.html

販売した商品はRestaurant TOYO Tokyo 塩崎 桂子パティシエールの手がけた「サブレ・ディアマン(バニラ・八女茶)」、「Restaurant TOYO バスクチーズケーキ」、「キャラメルパンプキンバスクチーズケーキ」の3品です。

ポップアップショップにお越しくださった皆様、誠にありがとうございました。

今回販売したスイーツは今後TOYO onlineでも販売予定です。
ぜひチェックお願いいたします。
https://restaurant-toyo.online/
https://www.instagram.com/restaurant.toyo.tokyo/

塩崎桂子パティシエール

インタビュー記事「10年前、パティシエールに未来なんてなかった」
https://note.com/toyo_online/n/n3344872f2878

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「Domaine CHANSON 来日メーカーズディナー」をRestaurant TOYOにて開催いたしました。 https://toyojapan.jp/2024/04/19/chanson/ Fri, 19 Apr 2024 09:01:27 +0000 https://toyojapan.jp/?p=3430 2024年4月17日 Restaurant TOYO Tokyoにて、シャンソンのエクスポート・ディレクターであるヴァンサン・ワレ氏の来日を受け、同氏...

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2024年4月17日 Restaurant TOYO Tokyoにて、シャンソンのエクスポート・ディレクターであるヴァンサン・ワレ氏の来日を受け、同氏をお迎えしてのグランクリュのシャルム・シャンベルタン、
そして特に誇れるボーヌのプルミエ・クリュを含む全6アイテムと6品のフルコース・ディナーをご提供いたしました。

皆様ご来店いただき誠にありがとうございました。

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開業6周年の御礼 https://toyojapan.jp/2024/03/29/6rd-anniv/ Fri, 29 Mar 2024 06:23:24 +0000 https://toyojapan.jp/?p=3425 6th Anniversary Restaurant TOYO Tokyo. 本日、Restaurant TOYO Tokyoは6周年を迎えました。 ...

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6th Anniversary Restaurant TOYO Tokyo.

本日、Restaurant TOYO Tokyoは6周年を迎えました。

お客さまと生産者さま、そしてスタッフに支えられた6年間でした。改めて感謝申し上げます。

7年目も変わらず、いつも最高の準備をして皆さまをお迎えいたします。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

Chef. 丸山 和孝

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30,000の記憶から選ばれたフードフレンドリーなワインがあなたのワイン体験を飛躍させる https://toyojapan.jp/2023/10/21/narusawa-2/ Sat, 21 Oct 2023 07:00:00 +0000 https://toyojapan.jp/?p=3354 30,000の記憶から選ばれたフードフレンドリーなワインがあなたのワイン体験を飛躍させる 「leap」リードセレクター 成澤 亨太 現役のレストランソ...

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30,000の記憶から選ばれたフードフレンドリーなワインがあなたのワイン体験を飛躍させる

「leap」リードセレクター 成澤 亨太

現役のレストランソムリエがセレクトしたオンラインワインショップ「leap」が、跳ぶ、躍動する、飛躍するといった意味をブランド名にするのは、日常の食卓におけるワインの楽しみ方を進めたい、「Wine makes a leap.(ワインは飛躍する。)」をブランドメッセージに置いているからだ。

leapが描くワインのある日常を、リードセレクターの成澤亨太が語った。

https://leap.wine/

20年間で積み重ねてきた3万本のワインの記憶

「現役のレストランソムリエが選ぶからこそ、本当においしいワインだけをお勧めできるんです」というのは、東京・日比谷のRestaurant TOYO Tokyoの統括ソムリエで、leapのリードセレクターの成澤亨太だ。成澤は、レストランソムリエなら量販店とは異なる視点でワインを勧めることができると断言する。

「量販店のソムリエの方々は、いわゆる小売のプロです。大量に買い揃えたワインをどう売るかを日々考える、ワインを売ることに特化したプロフェッショナルです。それに対して、レストランソムリエは、料理に合うワインやワインにあう料理を提案するプロ。流通では量販店さんに敵いませんが、フードフレンドリーなワインの提案には自信があります」

レストランソムリエは、月に3回から4回ほどの試飲会に足を運び、1回で30本程度試飲し、そのなかから自店のワインに合いそうなものを選んでいる。そのほか、仕入れの酒屋からのレコメンドや、すでに取り扱っているキュベの新ヴィンテージなどを含めると試飲数は、年間1500本にもなる。

たとえばソムリエとしてキャリア20年になる成澤であれば、これまでに3万本のワインを試飲してきたことになる。

その膨大な記憶の蓄積のなかから、目の前の料理に合う最適な1本のワインを選ぶのだから、成澤が「フードフレンドリーなワインの提案には自信がある」と言い切ることも納得できる。なにせ「1/30,000のワイン」なのだから。

だからこそ「ワインとの残念な出会いを減らしたい」と成澤はいう。

ワインはハレの日の酒から、少しずつ日常の酒になりつつある。じっさいワイン消費数量は、国税庁の発表によると2010年から2020年の10年間で約1.3倍。しかしながら、OIV(国際ブドウ・ブドウ酒機構)の発表の一人当たりの年間消費量(2021年)を見ると、日本は3.0ℓでトップのポルトガルの51.9ℓに比べて18分の1と少ない。

とうぜんヨーロッパ発祥のワイン文化なのだから、日本になかなか根付かないと説明することもできるが、成澤は「ワインラヴァーがもっと増えていいはず」と考えている。

「1,000円から3,000円台のワインが家庭では主流だと思います。この価格帯のワインの味わいは玉石混合。現代の嗜好にあったワインからやや造りのスタイルが古いワイン、そもそものクオリティが低いものまであります。そのなかで、たとえばワインとの最初の出会いが自分の好みに合わなかったりすと、『ワインってそんなにおいしくないもの』という拒否反応がでる。残念な出会いになってしまうのです」

しかしフードフレンドリーな観点でのワインを知り尽くしたソムリエたちがセレクトしたワインなら、ワインの最高の出会いだけを提供することができる。さらにワインの奥深い世界に続く扉を開く役目も担うことができたら、それはワインの新しい価値創造になるのではと成澤はいう。

ソムリエがセレクトしたとしてもleapが3,000円台からのワインを用意しているのは普段使いしやすいワインから始めたいと考えるからだ。

世界のワイントレンドにアンテナを張るレストランソムリエ

また、世界のワイントレンドを反映しセレクトできるのが、レストランソムリエの特徴だと成澤はいう。

世界でもっとも多くの国で造られているジャンルの酒だからこそ、国の文化が現れ、そこからその国の歴史もわかる。さらにワインだけでなく世界の食を通じて、各国の文化を紹介していこうとする姿勢は、レストランソムリエならではといえるだろう。

たとえばここ数十年注目されているワイン産地にドイツがある。

ドイツといえば甘口ワインのイメージが強いが、現在は7割程度が辛口。甘いワインは、和食のように軽やかでうま味を活かすような世界的な食のトレンドにあわないことで、辛口ワインが多くつくられるようになったのだ。

フランス南西部のワイン銘醸地・ボルドーの五大シャトーがもてはやされたような長い熟成向けのワインの造り手が、造ってすぐに飲める早飲みのワインを造るようになっているのも近年のトレンドを反映した動向といえる。寝かせなければ飲めないのは不便だと感じる世代が多いことに対する新しいアプローチといえる。もともとの土壌の良さに加えて長年のワイン造りの知恵も積み重なった新時代のボルドーワインは、「重くて苦手」というイメージを払しょくするような新鮮な体験ができる。

有機栽培のブドウを使うなどしたナチュラルワイン(ヴァンナチュール、自然派ワインとも)のブームも、行き過ぎた産業化へのアンチテーゼとして人々が求めるようになっていると考えると、人類や社会が向かう方向性にワインのトレンドが影響を受けるともいえる。

レストランという開かれた場所は、さまざまな情報が行き交う場所だからこそ、レストランソムリエは社会の変化を敏感に感じとることができる。そうしたトレンドにつねにアンテナを張り、料理とともに提案できるのがレストランソムリエの最大の強みといえるだろう。

選んだワインを見るとその人がわかる

「価値創造はソムリエの使命だと思っています」と成澤はいう。というのもレストランは、新鮮な食体感をしたいという人が訪れる「目的来店」の場所であり、体験の価値を伝えやすい。しかし、それだけでは食の体験価値を広く伝えることはできていないと成澤は感じている。「極端なことをいえば、道行く人にも食の体験価値を伝えられないといけないのではないか」ともいう。

「今までレストランソムリエは、レストランに来ない人に向けてワインの価値を訴求してきませんでした。しかし、ECプラットフォームが身近になったいま、外に向けて体験価値を伝えなければいけません」

その方法のひとつとしてワインショップが出張先になると成澤はいう。さらに現役のレストランソムリエのなかでも20代や30代前半の若手にこそチャンスとしても大いに活用すべきだともいう。

「店に閉じこもったままのレストランソムリエは、古いと思うんです。インターネットの登場で、レストランは誰もがアクセスできる社会的に開かれた場所になりました。だからこそワインの魅力は店の外でも発信できる、そういうのやろうよと、若手レストランソムリエたちに呼びかけたいですね」

これまでソムリエがワインショップでセレクトワインを販売するには、ソムリエコンクールの優勝者や有名ワインスクールの人気講師といった限られた人しか務めることができなかった。それはワインを大量に売るためのマーケティング手法といえる。

しかし時代は、前述したようにワインの売り方が変わってきた。ワインをたしなむ人も増え文化的な土壌がようやく生まれてきたなかで、大量販売の方向とは違った造り手の個性を選んででも買いたいという少量販売のニーズも高まってきている。

加えてワイン本来の良さに目が向けられてきたなかで、選ぶ側に飲み手の感性との親和性を大事にする傾向が生まれてきている。自分が好きな人、フィーリングが合う人がすすめたワインを飲みたいというニーズだ。

成澤は、そういった時代背景をうけてleapのワインセレクトは、より個人の感性を重視したいと考えており、なかでも若手のソムリエの感性は、量販店でセレクトされているワインにはない、活き活きと感性に訴えかけるセレクトが魅力的だという。

「統括ソムリエをしているRestaurant TOYO Tokyoでは、毎月グラスワインの試飲会をスタッフ間でしています。その時にペアリングのアイディアなどを話しあうんですが、20代は自分では考え付かないような提案をしてくるんです。すごい角度だなと思う。怖い者知らずなスリリングさが、かえって新鮮でおもしろく感じるんです」

とくにワインのセレクトには、選者の性格がでる。現在leapでは、東京・自由が丘のレストラン「Solfege」のソムリエ佐藤雅之と「Restaurant TOYO Tokyo」のソムリエ徳重雄大のセレクトが並んでいる。

ベテランの佐藤なら、レストランソムリエとして歩んできたスペインやイタリア、フランスのオーセンティックなワインを選ぶ。一方で、徳重は、アメリカからフランス、スペインと産地を縦横無尽に駆けまわる。自筆の各ワインのレコメンドのコメントも、まるでInstagramの投稿のようにカジュアルで親しみのある内容で、20代のレストランソムリエらしさに触れることができる。

「料理をみればその料理人がわかるように、選んでいるワインを見ればその人がわかる。ワインリストが、選んだソムリエの人生を表しているんです」と成澤は、leapでセレクトすることが履歴書代わりになり、将来的なリクルーティングの材料にもなる可能性もある。

leapは、飲み手にワイン体験の価値創造を目指すとともに、レストランソムリエの飛躍の場所にもなるのだ。

レストランソムリエがセレクトするワインショップ「leap」から、現在のトレンドにあったワインを成澤が3本セレクトした。ワインの新しい価値を体験してほしい。

成澤がセレクトした今推したいワイン3本

Brother Nature Field Blend 2022 / Hahndorf Hill(DU102)

ブラザーネイチャー フィールドブレンド 2022/ハーンドルフヒル

辛口さっぱりの潮流から、甘やかでやさしいの味わいのワインは飲み疲れすることありません。癒される味とはこのこと。今のワインのトレンドをおさえた、みんなに好まれる味わいです。

生産国は、オーストラリア。使用されているブドウ品種は、ゲヴュルツトラミネール、ヴェルシュリースリング、グリューナーヴェルトリーナー、リースリング、ソーヴィニヨンブラン、シャルドネ、ピノブラン、サヴァニン、マスカットブラン、ハースレヴェリュー、シュナンブラン、ミュスカデルと覚えきれません。

むしろ覚える必要はなくて、品種や国がああだこうだというのは無視して混ざり合ったおいしさを体験してもらいたい1本です。

というのもワイン造りの教科書では、その土地にあった品種を選んで植えて造るとされていますが、このワインはフィールドブレンドといって1つの畑のなかにたくさんのブドウを植えて、それをまとめてワインにするというものです。

気候や収穫時期によって、完熟のブドウや未完熟のブドウ、土壌にあったブドウと難しいブドウがあるなかで、エイや!とワインにする手法は、たとえばシャルドネ100%といった単一畑よりも、土地の個性を表現することができるのではないかと、近年注目されているスタイルです。

みなさんもブランド野菜だからおいしいのではなく、どういうところで育てているのかが大事に感じたりしませんか? 流通の規格に頑張ってあわせて真っすぐなニンジンよりも、捻じ曲げてでも元気にそだったニンジンがおいしいのは、その土地や気候風土にまかせきっているからだと思います。

フィールドブレンドは、混植混醸といわれて、その年ごとに良いブドウも悪いものもあるなかで、味わいがかえって安定していく。

好きなアーティストの単独ライブではなく、さまざまなアーティストが集ってその空間を楽しむフェスのような楽しみ方をワインでしていると思うと感じやすいかもしれませんね。

ご購入はこちら

PIL PIL 2022 / Astobiza(ID109)

アラバコ・チャコリ・ピル・ピル 2022/アストビザ

スペインのバスク地方で造られている低アルコールの微発泡ワイン「チャコリ」は、ニッチなワインといえるでしょう。

低アルコール特有の酸味をとばすために、ワイングラスの頭上高くから空気に触れさせるように注ぐスタイルは、どこかで見たことがあるかもしれません。

ワインはその土地のワインに合わせるという定石から、スペイン・バスク地方の料理にしかあわないと思われがちですが、低アルコールとほどよい酸味がじつは和食と相性がいいのはあまり知られていません。Restaurant TOYO Tokyoでも刺身にあわせたりしています。

世界的な和食ブームとヘルシー志向から、油脂分の少ない軽めの料理に、軽めの白や、日本の甲州を合わせる提案が多いですが、自分はこういうチャコリが新しい選択肢になると思っています。

微発泡で低アルコール(10%前後)なので、ビールやレモンサワーのようなイメージで普段の食卓でも楽しみやすいと思っています。

こういった提案がレストランソムリエならではだと、自画自賛しています(笑)。

ご購入はこちら

Cicaleccio 2021 / Cantina Giara(VN116)

チカレッチョ2021/カンティーナ・ジアラ

印象的なエチケットは、音の周波数がデザインされています。キュベ名の「Cicaleccio チカレッチョ」はイタリア語でガヤガヤとうるさい声という意味です。エチケットにある情報は、周波数とチカレッチョの文字だけです。

味わいや香り要素がさざ波のように混じりながら、ひとりひとりの声はききとれるけど、まざると喧噪になる——。初めてこのワインをテイスティングしたときに、そんなイメージがきちんとワインに表現されているように感じました。

みなさんも体験したことがあると思います。たとえばざわざわした居酒屋で、耳をすますと一人ひとりの会話はわかるけど、全体として混然一体としたざわめきがその空間に響いている。そんな感覚がワインにあったのです。

エチケットから受けるインスピレーションが、ワインの味わいを左右する。その感じ方は人それぞれで、味わいの感じ方も微妙に異なってくる。アート的な感覚があるワインといえます。

友人やパートナーと美術館に行ったり、映画を観に行った後に、カフェで感想を話すのがとても楽しかったりする人は、ぜひこのワインを何の予備知識もなく飲んで、その感想を話してみると、より楽しめると思います。造り手は何を考えて、ワインを通じて何を伝えようとしているのか。そんなことを思い浮かべたくなります。

そこには造り手からの「情報ではなく感性でワインを飲んでほしい」という明確なメッセージがあると思います。醸造家は芸術家といわれます。絵に対して解説を入れたくない画家がいるように、ワインにも情報を入れたくない醸造家もいる。とくに近年は、そういった醸造家が増えてきた印象があります。

もちろん解説あった方がわかりやすいという醸造家や飲み手もいると思いますので、どちらがいいというものでもありません。

大切なのは、ワインは人が造っているものであり、人が造るからこそ隅々に、造り手の意思が込められている。エチケットもその意思のひとつで、情報が詰まっているということです。

ご購入はこちら

成澤亨太|Kota Narusawa

東京都出身。東京都内にて数店舗でのソムリエを経て、2011年に銀座「 l’Odorante」で支配人・ソムリエとして今帰仁 実シェフに従事。フランス料理の哲学、サーヴィスマンとしての根幹と礼節、人と人との大切さを学ぶ。2014年には、麻布十番「Liberté a table de TAKEDA」(ミシュランガイド一つ星)の支配人・シェフソムリエに就任。同店が海外展開をするため閉店すると、2018年にオープンするフランス・パリRestaurant TOYOの日本店となる東京ミッドタウン日比谷の「Restaurant TOYO」の統括支配人兼エグゼクティブソムリエに就任した。2020年には現職の傍ら、自身がプロデュースするRestaurant Solfègeを自由が丘にオープン。今までに経験した国内外の様々なレストランとのコラボレーションを基軸に、様々な飲食店やバーのドリンク監修、またTBSドラマ 「グランメゾン東京」のワイン選定等、レストラン業務の枠を越えた活動を行い、フレンチの枠に留まらないイノベーティブな料理に合わせて、世界中の飲料からのペアリングを提案している。

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日本橋三越本店「三越フランス展2023」御礼 ~三越フランス展無事終了しました(9/27〜10/2)~ https://toyojapan.jp/2023/10/04/france2023/ Wed, 04 Oct 2023 03:20:03 +0000 https://toyojapan.jp/?p=3277 「2023 伊勢丹フランス展」(9/27~10/2)が無事終了いたしました。 三越本店のフランス展TOYO Tokyoの物販にいらしてくださった皆様、...

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「2023 伊勢丹フランス展」(9/27~10/2)が無事終了いたしました。

三越本店のフランス展TOYO Tokyoの物販にいらしてくださった皆様、誠にありがとうございました。

今回は

【惣菜】高千穂牛ローストビーフ 黒胡椒ソース、フォアグラ入りガランティーヌ バルサミコソース、自然薯入り手羽先、トリュフコロッケ、高千穂牛赤ワイン煮、コック・オー・ヴァン、バターチキンカレー、ポトフベース、コンソメスープ

【スイーツ】バニラのパウンドケーキ、八女茶のチーズケーキ ハーフサイズ、八女茶のチーズケーキ、ホワイトチョコと八女茶のパウンドケーキ、ブーダンテリーヌ・ド・ショコラ

を販売いたしました。

*物販商品のスイーツはTOYO onlineにてご購入いただけますのでぜひチェックお願いいたします。↓

https://restaurant-toyo.online/collections/sweets

またこのようなイベントでお客様とお会い出来ることを楽しみにしております。

今後ともRestaurant TOYO Tokyoを宜しくお願いいたします。

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中山豊光シェフ来日イベント 御礼 https://toyojapan.jp/2023/08/06/toyoevent/ Sun, 06 Aug 2023 08:00:00 +0000 https://toyojapan.jp/?p=3264 8月3日(木)、4日(金)、5(土)(※8月3日はディナーのみ)の3日間の中山豊光シェフの来日イベントですが、皆様のお蔭で無事終了いたしました。 今回...

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8月3日(木)、4日(金)、5(土)(※8月3日はディナーのみ)の3日間の中山豊光シェフの来日イベントですが、皆様のお蔭で無事終了いたしました。

今回も皆様ご来店いただきありがとうございました。

フランスのRestaurant TOYOでもお待ちしております!

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中山豊光シェフ来日ディナー 御礼 https://toyojapan.jp/2023/02/27/toyodinner/ Mon, 27 Feb 2023 08:00:00 +0000 https://toyojapan.jp/?p=3021 2月23日(木・祝)〜25日(土)の3日間の中山豊光シェフの来日ディナーイベントですが、皆様のお蔭で無事終了いたしました。 今回も沢山のお客様にご来店...

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2月23日(木・祝)〜25日(土)の3日間の中山豊光シェフの来日ディナーイベントですが、皆様のお蔭で無事終了いたしました。

今回も沢山のお客様にご来店いただき、東京のスタッフも感謝で一杯です。

今年こそは是非、パリにもお越しいただけますと幸いです。

お越し頂いた皆様、本当にありがとうございました。
今後とも、パリ・東京両店のRestaurant TOYOを宜しくお願いいたします。

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普段のTOYOを脱ぎ捨てた蟹尽くしの夜 https://toyojapan.jp/2022/12/11/sake3rd/ Sun, 11 Dec 2022 03:00:00 +0000 https://toyojapan.jp/?p=2956 Restaurant TOYO Tokyonoシェフ、丸山和孝がスーシェフ時代から不定期で開催してきた、地方の食材とその日本酒を味わう企画「Sake ...

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Restaurant TOYO Tokyonoシェフ、丸山和孝がスーシェフ時代から不定期で開催してきた、地方の食材とその日本酒を味わう企画「Sake Discovery」シリーズの第3弾が11月19日(土)に開催されました。前回から3年ぶり、たいへんお待たせいたしました。

Sake Discovery 3rd」と題し、今回取り上げた地方は京丹後市。西は兵庫県豊岡市と北は日本海、東は若狭湾に面する伊根町や天橋立あまのはしだてがある宮津市などに接する京都府の北端の市です。

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今回は、京丹後市のふるさと納税返礼品の開発事業の一環として10月後半にシェフの丸山と総支配人の成澤亨太が京丹後市に足を運び、地元の生産者さんにお会いしてきました。

11月11日から京丹後市のふるさと納税の返礼品の出品は、各種ふるさと納税サイトでスタートし、12月から利用開始していますが、京丹後市での体験が冷めやらぬうちにイベントを開催したいという2人の希望で、一足早く実現したのです。

Sake Discovery 3rdのテーマはずばり「蟹」

日本海の北陸から中国地方にかけて獲れるズワイガニは、冬の風物詩で、11月6日の漁の解禁は毎年全国ニュースにもなるので、ご存じの方も多いかもしれません。今年の間人漁港での初セリは、1杯7万円の最高値がついたそうです。ちなみに終漁は3月20日と決まっています。
「冬の味覚」ズワイガニ漁解禁 京都府北部の漁港でも水揚げ「出だし好調」|経済|地域のニュース|京都新聞

なかでも京丹後市の間人たいざ漁港に揚がるズワイガニの「間人ガニ」(松葉蟹、オスのズワイガニ)は、幻の蟹と呼ばれ全国的に知られています。

福井県や兵庫県のほか、周辺の蟹漁でも大型漁船を使うのに対して、間人漁港の船は小型。港から遠くに行けず、かつたくさん量は獲れませんが、小回りの利く漁船の利を活かして、獲ってすぐに港に水揚げされる、つまり鮮度のよさが間人ガニの最大の特徴です。

Sake Discovery 3rd」では、この解禁されたばかりの間人ガニのほかメスのズワイガニである香箱蟹こうばこがに(セコガニ)を中心に、10月に訪ねた京丹後市の生産者様の食材を掛け合わせた、贅沢な蟹づくしのコースを丸山が考案。さらには、ソムリエの成澤も、訪問した酒蔵を中心に京丹後市にある酒蔵の酒を1皿ごとにペアリングをし、京丹後市づくしの特別なディナーになりました。

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Sake Discovery 3rd
場所:Restaurant TOYO Tokyo
日時:11月19日(土)19:00~
料金:料理コース・ドリンクペアリング込み 25,000円(税・サ別)

コース料理の紹介

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塩釜 / 蟹フラン コンソメ

間人ガニ(魚政)、京丹後産コシヒカリ(エチエ農産)、塩(琴引の塩)

最初の1品は、塩釜焼きにしたご飯と蟹のフランです。京丹後市の日本酒で1日浸けてから炊いた米を昆布でまいて塩釜にしオーブンの中で蒸し焼きにしました。

米は、京丹後市の農家、エチエ農産さんの京丹後市のコシヒカリ。塩は、京丹後市の琴引浜近くの海水を伝統的な平釜製法によって炊き上げた琴引の塩さんの海塩を使っています。蟹は、幻といわれる間人ガニを京丹後市の魚屋さん魚政さんから。ツメにつけられた緑色のタグが目印です。

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酒ペアリング
「URANISHI Sparkling 弁当ワスレテモ傘ワスレルナ 」丹後産ミルキークイーン100%(白杉酒造)

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魚政代表の谷次賢也さん
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間人ガニ、緑のタグが目印。
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代表の越江昭公さん。
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7haのうち2haが有機JAS認証の畑で、オランジェ(鮮やかなオレンジのニンジン)や京くれない(金時ニンジンと五寸ニンジンの中間型)、金時人参、黄ニンジン、里芋(エチ芋)、タマネギ、万願寺とうがらし、こどもピーマンなどを育てています。
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製造担当の安井昌俊さん
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製塩所では、400ℓの海水が入る大きな4つの釜で炊いています。立ち上る水蒸気が火力を物語っています。海水の塩分濃度は3.4%ですから、400ℓでおよそ13.6㎏の塩が採れることになります。
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京丹後市には5つの酒蔵があり、そのなかでも白杉酒造さんは、江戸時代中頃の1777年(安永6)創業のもっとも古い酒蔵です。
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現代の日本酒は、山田錦や五百万石、雄町というような酒造り専用の米を使いますが、白杉酒造さんでは、コシヒカリやミルキークイーンといった私たちが普段から食べている食用米を使って酒造りをしています。
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白杉酒造の蔵元杜氏、白杉悟さん。

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この日の夜は、京丹後市のエチエ農産さんから越江雅夫さんがお越しになり、コースを食べていただきました。雅夫さんは、エチエ農産さんの前代表で、現代表の昭公さんのお父様でもあります。

生産者の方に、お料理を召し上がっていただけるのは、レストランとしてとても光栄なことであります。越江さん、お越しいただきありがとうございました。

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越江さんには、他のお客様にも紹介させていただきました。

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京丹後蟹サラダ

セコガニ(平七水産)、野菜(エチエ農産、ビオラビッツ・てんとうむし畑)、醤油(小野甚味噌醤油醸造)

色とりどりの野菜は、エチエ農産さんとビオラビッツ・てんとうむし畑さんの野菜たち。野菜の下にセコガニの身や内子、外子が隠れています。

野菜のまわりには、エチエ農産さんのブロッコリーパウダーが。お皿をよく見ていただくと何かの形にパウダーがかたどられているのがわかりませんか? じつはこれ、京丹後市の形です。シェフの丸山が型を手作りしたんです(京丹後愛ですね~)。

小野甚味噌醤油醸造さんの醤油は、三杯酢を和えたジュレと柚子のドレッシングで使っています。

酒ペアリング
「MIRROR MIRROR 」丹後産夢ごこち100%(白杉酒造)

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てんとうむし畑(ビオ・ラビッツ)代表の梅本修さん。
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京丹後市の視察には、TOYOチームのほか、東京・紀尾井町の「福田家」店主の福田貴之さん(左から3人目)と料理長の松下俊一さん(福田さんの左隣)、東京・麻布十番「クラージュ」のシェフ、古屋聖良さん(写真右端)とともにまわりました。
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てんとうむし畑さんでは、有機JAS認証を取得したおよそ5haの畑で、ニンジンや京野菜、ダイコン、カブラ、ゴボウ、ネギ、サツマイモなど100種類以上の野菜を1年を通じて栽培しています。
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セコガニは間人漁港に近い平七水産さんから。
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仕入れ担当の吉田雅さん。
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小野甚味噌醤油醸造さんは、京丹後市の中心部・峰山町に大正元年(1912)の創業しました。原料にこだわり、蔵の中でじっくりと醗酵・熟成させる、こだわりの製法を守り続けています。

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蟹スフレ / 蟹のビスク

セコ蟹(魚政) 

Restaurant TOYO Tokyoのパティシエ、大澤康二のスペシャリテであるスフレを前菜にしたてました。

スフレの中には、セコガニの味噌が入っています。アツアツの蟹味噌スフレをひと口、ふた口たべたあと、丸山作のうま味たっぷり、香り凝縮のカニのビスクをソースとしてスフレにかけて味変します。

丸山いわく「反則的なおいしさ、ふだんのTOYOではぜったいやらない仕立てです」というのもなっとくの強烈なおいしさ。蟹尽くしならではのひと品に、ゲストの顔も自然と笑顔になっていました。

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酒ペアリング
「Ice Breaker」2021BY無濾過生原酒(木下酒造)

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木下酒造さんは、1842年(天保13)に京丹後市の久美浜で創業した酒蔵です。現杜氏は業界初の外国人杜氏・フィリップ・ハーパーさん。就任直後から酵母無添加の「生もと」「山廃もと」造りをスタートさせました。ハーパーさんの生涯はドキュメンタリー映画『カンパイ!世界が恋する日本酒』にもなったのでご存じの方も多いかもしれません。「Ice Breaker」はハーパーさんと木下酒造さんの代名詞といえる銘柄です。

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里芋と蟹のコロッケ

セコ蟹(平七水産)、里芋(エチエ農産)

里芋は、エチエ農産さんの里芋、通称「エチ芋」を使ったコロッケです。エチエ農産さんで長年にわたり、京丹後市の土にあった種を選抜し続けて在来品種の里芋です。粘り気のあるのが特徴で、コロッケにピッタリの品種です。

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エチエ農園で見学させてもらった里芋(エチ芋)。

酒ペアリング
「YASAKATURU HIYAOROSHI」京都産亀の尾100%(竹野酒造)

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竹野酒造さんは、1895年創業の行街酒造をルーツとする、京丹後市に5つある酒蔵の一つです。
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6代目杜氏の行待佳樹さん。
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行待さんとともに、京丹後市にある日本料理店「魚菜料理 縄屋」さんへ。前列右は、縄屋の主人・吉岡幸宣さん。

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甘鯛蒸し

甘鯛(平七水産)、春菊(エチエ農産)、白味噌(小野甚味噌醤油醸造)

一転、Restaurant TOYO Tokyoらしいひと皿の甘鯛蒸しです。

海の京都」と呼ばれる京丹後市は、やはり魚が豊富です。秋から冬にかけては甘鯛のほか、鰆や鰤、クエなどが各漁港に揚がります。今回の魚は、間人漁港近くの平七水産さんからいただきました。

エチエ農産さんの春菊の付け合わせと、小野甚味噌醤油醸造さんの白味噌をアクセントに。

酒ペアリング
「SYNAPSE 2019」京都産山田錦100%(竹野酒造)

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蟹ごはん / 野菜のテリーヌ

間人ガニ(平七水産)、京丹後産コシヒカリ(エチエ農産)、野菜(エチエ農産、ビオラビッツ・てんとうむし畑)

Restaurant TOYO Tokyo恒例のお食事は、もちろん蟹ご飯です。エチエ農産さんとてんとうむし畑さんの野菜の漬け物をはテリーヌ状にしてお出ししました。蟹ご飯は、途中で温泉卵を割って、しっかり混ぜて味変させます。

酒ペアリング
「Shirakiku BLACK LABEL brilliant」丹後産コシヒカリ100%(白杉酒造)

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リオレ最中 / 焙じ茶のソルベ

京丹後産コシヒカリ(エチエ農産)、京丹後焙じ茶

デザートもしっかり京丹後市の食材で。パティシエの大澤が、お米を牛乳で炊いたフランスの伝統菓子「リオレ」にしてくれました。

ほうじ茶のソルベとともに、最中生地に挟んで食べます。

酒ペアリング
「Time Machine 1712」2021BY(木下酒造)

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丸山とパティシエの大澤(右)。

京丹後市の冬の風物詩といえる蟹を中心に、市内の食材をふんだんに使った1日限りのディナーには、たくさんのお客様に起こしいただきました。

今回使わせていただいた生産者様の情報を下記にまとめました。お取り寄せができる生産者様もいらっしゃいますので、ご興味のある方はぜひご注文してみてください!

また京丹後市のふるさと納税の情報も併せてご紹介しております。2022年のふるさと納税の寄附を検討されている方、ぜひこの機会にRestaurant TOYO Tokyoのペアリング付き京丹後市スペシャルディナーのお食事券が返礼品になったコースのご注文をお願いいたします!

以下の8つのふるさと納税サイトで販売中です!

京丹後市ふるさと納税特設サイトこちら

ふるさとチョイスこちら

楽天ふるさと納税こちら

ふるなびこちら

ANAのふるさと納税こちら

ふるさとプレミアムこちら

ふるラボこちら

au PAY ふるさと納税 (こちら

ふるさと納税の仕組みについて(総務省サイト)
総務省|よくわかる!ふるさと納税|よくわかる!ふるさと納税

京丹後市の生産者様

エチエ農産 (有機JAS認証)米、野菜など、オンラインショップあり

てんとうむし畑 (有機JAS認証)野菜など、オンラインショップあり

平七水産 間人ガニ、魚、加工品、オンラインショップあり

魚政 間人ガニ、魚、加工品、オンラインショップあり

琴引の塩 オンラインショップあり

白杉酒造

木下酒造

竹野酒造

小野甚味噌醤油醸造 オンラインショップあり

おわりに

テーマ性のあるコースは、普段のRestaurant TOYO Tokyoではなかなか出せないものですが、だからこそ丸山や成澤にとっても、特別なインプット・アウトプットの機会になっているようです。

コロナ禍も落ち着いてきた今、「Sake Discovery」の4th、5thを目指してスタッフの旅・移動も少しずつ再開していきたいと思います。次回の開催をぜひお待ちくださいませ。

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Restaurant TOYOのオンライン予約はこちら
https://toyojapan.jp/reservation/

取材・文・撮影(京丹後市)=江六前一郎
撮影(イベント)=永井聡史

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